こんにちは。
コンフォートスタイルstaff山崎です。

当店の屋台骨。家具職人の紹介コーナー。
第3回目はこちらの職人です!

若杉一幸(塗装)
職人歴:33年

wakasugi02
福岡県東南に位置する矢部村出身の若杉さんは、普通高校卒業後すぐにこの世界に入った。
「もうどこでもいいから、早く身を立てたいという気持ちで」仕事を探していた時に、
たまたま大川家具の求人票を見かけたのがきっかけだ。
大川に知り合いや親戚がいたことも、若杉さんの背中を押した。
以来この地で30年以上のキャリアを築いてきた。
「いつの間にかここまできたという感じ。モノ作りは好きですから、仕事は楽しいですよ。」

wakasugi01

体調や季節によっても影響を受ける繊細な手作業

加工が終わった板に、「下塗り」と「仕上げ」という塗装工程を施すのが若杉さんの仕事。
作業場には塗装した板を乾燥させるためのライトや送風機が設置されており、
まさに「夏は暑く冬は寒い」という厳しい環境だ。
目の前で行われているのは「下塗り」
組立前の工程で、スプレーから出る塗料を板にすばやくムラなく吹き付けて乾燥させる作業だ。
一見簡単にやっているように見えて、体調や季節によっても影響を受ける繊細な手作業。
「もう30年近くやっていますけど、今でもまだ失敗してしまうことがありますよ」と若杉さん

wakasugi03

試行錯誤と失敗を繰り返しながら…

最初に入社したのは、家具の材料屋。
アシスタントとして業務をするかたわら、いきなり塗装作業を任せられることも。
丁寧に教えてもらった記憶はなく、
とにかく師匠のやり方を見よう見まねで覚え、
試行錯誤と失敗を繰り返しながら少しずつ習得していったという。
特に気を使うのが色つけだ。
「別の会社にいた時に、ドレッサーの色付けを担当したことがありました。
入社してまだ日も浅く、どうしていいか分からない時期で、
少しいい加減に自己流で作業をしてしまったんですね。
結果、指示された色と全く違う色になってしまい、『なんかこれは!』とひどく怒られました」

wakasugi04

長年の経験によって培われた絶妙なさじ加減

今でもその経験が頭から離れない。
以来、同じ失敗は二度と繰り返さないことを固く決意した。
「色付けは、勘と経験の世界です。下塗りを終え、仕上げの塗装時に色を付けますが、
その時に混ぜる色と分量を決めます。」
それぞれの色に基準の分量があるとはいえ、木材は自然のもの。
種類や木目によっても、微妙に発色が変わってします。

長年の経験によって培われた絶妙のさじ加減が、ものをいうのだ。
「狙っていた色がピシャッと一発で出た時は、カッツポーズですよ。
でも合わない時はなんべんやっても合わない」と苦笑い。
30年以上のキャリアをもった職人をしても「まだまだ」といわしめるほど、
塗装は細やかな作業であることを教えてくれる。
「だから、一生勉強なんです」

wakasugi05

作る人にも使う人も安全な塗料

塗装の作業場には棚一面に塗料がズラリ。
これらを勘と経験によってブレンドして、色を作り出していく。
ちなみに生松工芸で使うのはすべて、
シックハウス症候群や化学物質過敏症などの原因といわれる
ホルムアルデヒドをほとんど含まない塗料。
作る人にも使う人にも安全なのだ。

wakasugi06

もっとも緊張する瞬間…

生松工芸の製品の大きな特徴は、塗装が他社よりも1工程多いという点である。
この色付けの工程によって、組立などでついてしまった細かい
傷を滑らかに仕上げることができるので、見た目の質感が全く違うのだ。
若杉さんにとって、この工程がもっとも緊張する瞬間だ。
数多くのスタッフの手を経た製品の最終段階であり、
失敗すればすべてやり直しとなってしまうからである。
撮影時もご覧のように遠くからコッソリ撮るような雰囲気。
「集中して作業していますからね。ここで声をかけられると困りますよ」

wakasugi07

「これ、俺達が作ったんだよな」って思うとやっぱ嬉しくなりますよね

そんな若杉さんのやりがいは、買ってくれたお客さんからのレビューを読むことだ。
「実際に買ってくれた人が『買ってよかった』という声を寄せてくれているのを読んだり、
部屋に置いてある家具の写真を載せてくれる時もあるんです。
『これ、俺達が作ったんだよな』と思うと、やっぱり嬉しくなりますよね」と、顔をほころばせる。
ネット通販が発達する前はお客さんの声がまったく聞こえなかったが
「インターネットのおかげで、利用者の皆さんの声が直接伝わるようになった。何よりも励みになります」

wakasugi08

インタビューに同席していた社長に若杉さんの仕事ぶりを伺うと
「とにかくまじめで黙々とやってくれる。安心して任せられる職人さんです」と太鼓判を押した。
少々照れ笑いを浮かべながら
「これからも、買ってくださった方に喜んで頂けるものを作りたいですね。それに尽きます。」と若杉さん。
締めくくりの言葉も、やはりまじめそのものなのだった。