職人紹介

田中富士雄 サイザー・ボーリング 職人歴:48年

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こんにちは。
インテリアショップコンフォートスタイルの山崎です。

当店の屋台骨。家具職人の紹介コーナー。
第9回目はこちらの職人!

田中富士雄 サイザー・ボーリング
職人歴:48年

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佐賀出身の田中さんは、小学校3年生で父親を亡くし、中学卒業と同時に大川の木工所へ弟子入りした。
当時親方の元に8人の弟子がいたというが、今でも大川に残っているのはたった2人だとか。
それだけ厳しい仕事であり、弟子入り2年目で自らも逃げ出したことがあった。
「結局は連れ戻されたんですが」と苦笑いするも、その後は厳しい修業時代を耐え抜き、大川地区でずっと家具職人として生きてきた。
その生き方を支えたのは「家族を守っていかねば」という一心だった。
そんな田中さんには、先日、5人目の孫が誕生したという。

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ひと時も気を抜くことができない、正確性が求められる工程

パーツの縦と横を図面通りの寸法にカットする「サイザー」という工程と、
パーツ同士を組立てるダボ組み用の穴をあける「ボーリング」という工程が、田中さんの主な担当だ。
手にしたパーツに真剣な眼差しが向けられる。高い正確性が求められるこの工程は、ひと時も気を抜く事ができないのだ。

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寸法を正確に把握してはじまる

田中さんの仕事は、まずパーツ寸法の確認から始まる。
90cm、105cm、120cmなど製品によっても設置個所によってもパーツの寸法は異なる。
それらを正確に把握して、サイザーという機械でパーツの縦と横をカットする。

まず縦のサイドをカットし、その後機械がパーツを正確に90度回転させ、横をカット。
そのままボーリングの機械へと流れて、指定した位置にダボ用の穴があけられる。

1枚1枚のパーツを機械へ送りながら、それぞれの工程が問題なく行われているか、目でチェックする。
サイザー、ボーリング加工が施された後は、
実際に木ダボを入れて寸法通りにズレなく組み立てられるか、さらにチェックを重ねる。

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確かな品質は、高度な技術と感覚から生まれる

確認を終えた田中さんがボーリング機械の操作パネルへ走り、すばやくプログラム数値を修正。
その後、サイザーへ移動する。
「機械に使われているようなもんです」と言いながら小走りで作業場を移動し続ける田中さん。
その動きに追いついて撮影するだけで大変だ。
「婚礼家具は少しでもズレがあるとダメになりますから、工程で寸法を正確に測って作るのが当たり前でした。
時代が変わり現在は機械が作業するとは言え、最後は人の目できちんと確認しなければいけません。
今も0.2~0.3mmほどボーリングの位置がズレていました。
そんな小さなズレでも、仕上がった時に家具のゆがみを引き起こしてしまうんです」
かつて全盛を誇っていた婚礼家具。時代と共に人々のニーズは変化してきたが、
生松工芸の家具に確かな品質をもたらしているのは、その時代に培われた高度な技術と感覚なのだ。

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万歩計で測ったら、一日で一万歩

ボーリング位置の修正を終え、再び作業がスタート。
作業の流れに合わせて、サイザーとボーリングの機械の間を絶え間なく行き来する田中さんが、
「これだけ動き回るからこの間万歩計で測ったら、一日で一万歩いきましたよ」と教えてくれた。

え?万歩計?と聞くと「マラソンと登山が趣味なんです。フルマラソンは20回以上走破しましたよ。
還暦を迎える来年は、記念にホノルルマラソンに出ようと思っています」と笑顔で語る。

仕事を終えた夕方に、1時間ほどランニングするのが習慣という田中さん。
8月半ば、真夏日に工場内でもほぼ疲れを見せない秘密は、どうやらそこにあるようだ。
一方の撮影者はすっかり汗だく、バテ気味だ。

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ボーリング工程まで終えたパーツが次々と積まれていくそばで、再度仕上がりをチェック。修正後にも厳しい目線は注がれる。
「趣味で大菊つくりもやっていますが、手を入れれば入れただけ菊は美しく咲いてくれるんです。その点は家具も一緒ですよね。
どれだけ手を入れて心をこめるか、それが大切だと思っています」
美しいもの作りに注がれる拘りもまた、田中さんの職人人生を支える大きな要素となっているのだろう。

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